デンマーク講演会報告
3月25日、中央区の「福岡市人権啓発センター」で「市議会議員がみた幸福度世界一のデンマーク」と題してデンマーク講演会が開催され、森あやこが昨年11月にデンマークの教育・福祉施設を訪問・見学したことについて講演しました。
デンマーク講演会
市議会議員がみた幸福度世界一のデンマーク
参加者数:45人
場 所:福岡市人権啓発センター
主 催:教育文化研究所
協 力:一般社団法人 福岡デンマーク協会
後 援:西鉄旅行株式会社
最初に主催者である教育文化研究所の長阿彌所長からデンマークの紹介があった後、各議員の報告、森あやこからは、デンマークの福祉の概要、老人ホーム「プレジャセントリックケルボ」やバリアフリーオフィスビルなどの視察報告がありました。

この老人ホーム、コペンハーゲンの北東部に位置する街中の7階建て、54部屋の小規模ケアセンターとのことですが、入居者の各部屋のバスルームには、介助者の負担を軽減するためにリフトが設置されており、家族などの訪問者が泊まれるように、2室の客室も備えられているそうです。

各フロアには共通の居場所として7人用のリビングルームとダイニングキッチンがあり、1階には、新聞読書、コーヒー、音楽、歌など居住者が自由に過ごせるリビングルームやバーベキューや音楽・イベントなどができるグランドフロアなどもあります。
施設の運営は、居住者の意志を尊重し、その方の持つ能力を生かすという考えで運営されており、イベントなどの計画は、本人、アクティビティワーカー、施設スタッフ、家族・親戚、ボランティア、地域コミュニティなどで話し合って決めているとのことでした。

訪問した日は、1階のリビングルームでダンスパーティーが開かれていたとのこと。ケルボの中ではいろいろな行事が計画されるそうですが、中でもダンスパーティーは人気があるそうです。
日本で老人ホームといえば、施設と家族の関わりになってしまいますが、日頃からボランティアや地域コミュニティなども関わるのが当たり前、といった社会構造、さすが福祉の先進国デンマークですね。
次にバリアフリーオフィスビルの紹介がありました。このオフィスビル、ハンディキャップオーガニゼーションナーズハウスとよばれ、2012年に、デンマークのハンデキャップ組織団体(DH)により、建築された障害者と全ての人のために世界一利用しやすい施設と環境を目指して作られたオフィスビルです。
ヒトデ型の形状をしており、建物の真ん中に立つと、全体的な配置がわかり易いように設計されて、各フロアーは色でゾーン分けがしてあり、自分がどこにいるか、どこへ向かえば良いのか判りやすくつくられています。

エレベータは「ドライブスルー」式で、両側に扉があり、旋回する必要がなく、足でも操作ができるように足元にもスイッチがあります。また、階段の手すりには、一階には1つ、二階には2つというように、自分がどの階にいるのかを確認できるようにつくられています。会議のために部屋を予約することができ、2人〜100人まで利用可能な部屋が用意されているとのことでした。


この後、30分ほどパネルディスカッションがあり、参加者との意見交換がありました。ある参加者から、議員の視察報告ときいて余り期待はしていなかったが、実際に聞いてみて議員のみなさんが良く勉強されていたのが分かったとのこと、議員のみなさま、お疲れさまでした。
日本の老人福祉の現状をみると、家族と施設が主体になっており、デンマークのように、ボランティアや地域コミュニティの参加がありません。家族と施設と行政まかせではなく、「余力のある人はボランティアで社会に貢献する」といった社会にして行きたいですね。(Y.Y)
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